緑画舎

THE DOG RACE　～青山景初期作品集～ (ＩＫＫＩ　ＣＯＭＩＸ)
青山景
2011年に逝去した著者の初期短編集。商業作品もあるけどアマチュア時代の作品から未発表作・投稿作などがほとんど。集めるだけかき集めたというかんじ。表題作は美術大学の卒業制作作品。シュールコメディ系ショートショート＆オム二パス。いろんな意味で不思議な感覚を醸し出す作風が印象的。なんだろう読んだあとのこの虚無感は。でもいやじゃない。★★★☆☆

ライフ・イズ・デッド (アクションコミックス)
古泉智浩
性交渉により感染し極度のストレスを受けるとゾンビ化するウィルスが存在し周知された世界。ゾンビに至る病に冒されたニート青年をはじめとし周囲の面々の日常を描く話。限られた時間しか残されていない青年の生活っぷり、主人公の無責任発言が多い友人、主人公を思いやる優しいが方向性が明後日の妹、青年を感染させた女子、ゾンビ化した人間がいる家族たちなどなど。ゾンビというとパニックものという刷り込みがあるが、こちらは感染する不治の病が日常に存在する状況においての様々な人間の行動が淡々と描かれている。映画化に伴う再発売作品だった。

栄光なき天才たち2011 (栄光なき天才たち)
森田信吾
三菱財閥の創始者の従兄弟の家系で明治19年生まれの豊川順やの伝記。国産自動車の開発に情熱を注いだ先駆者。ブレない骨太な伝記物語であり、技術者の情熱とそれに伴う活力をひしひしと感じる。業界の歴史は明るくないが題名から当人自身は大成しなかったみたい？一番初めに事を成した人がという流れはあるよなあ。

透明社員X (プレイコミックシリーズ)
山田こうすけ
特定の手順を行うと透明人間になれる体質を持つ三十路独身派遣社員男性は、透明人間になり派遣先で女性の肌を拝んだり触ったり覗いたり。透明人間になれるほどに周囲に認識されない空気のような存在だがエロ欲は満たされるので特に沈む様子もない。そんなエグさ少なめのお気楽極楽好色男のエロコメディ。どうも前作がありその続シリーズのようです。複数巻。

世界に大自慢したい日本の会社 (ヤングジャンプ愛蔵版)
こせきこうじ
有名でなく規模も小さいが確かな商品を提供している日本の会社を紹介した内容。ビジネス書が原作なのかな。主人公、というかナビゲーターのサラリーマン風の男性がとにかく感動しまくりでその描写が熱い。そういえば著者の作風。日本のものづくりに携わる人の情熱はこれでもかと伝わる。第一回の福祉グッズ販売の回のインパクトはすごかった。会社というよりほぼボランティア・・。存続してほしいのでもうちょっと欲を出してほしいと願う。複数巻。