ぼくらのフンカ祭 真造圭伍

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噴火の火山灰で閑散とし、温泉が出て浸水するという打撃の後、温泉と噴火を目玉とした賑わいを見せるようになる。そんな町に住む男子学生の主人公は温泉が出た直後、大人たちは呆然とするも温泉に浸かってみる人間だが同年代にはクールでモテるタイプらしい。観光地の賑いを見せる現在より昔の静かな環境のほうが好ましかったのでちょっと複雑な心情のよう。
自分の案が採用され周囲がよりよい方向に向かうも元々やる気満々というわけでないし素直に喜べもしない、茫洋としたというかもやもやしたものを抱えてるという、ちょっとめんどくさいキャラでもあったのだが、自分たちの祭りを行うことでわーっと弾けるような活発な心情に劇的に変わる展開。
クールというかちょっと一歩引いて環境を見る性格の主人公に対し、友人は少年らしいというか欲に忠実で直球な性格。たとえばモテる主人公の側に居れば女子と近づける機会もあるんじゃ、と思ったりするタイプ。この二人の気質の対比は視点の対比でもあり物語の深みを増す要素となっているかんじ。
絵柄がアートっぽい独特さも味があって良いし、当初は読みにくそうかなと思ったけど全く杞憂だった。

真造圭伍
ビッグコミックススペシャル全1巻 / 小学館
ジャンル:青年・青春 / 好み度:★★★☆☆