世界で一番密やかなアーケード「最果てアーケード」を舞台に、過去の大火災で父をなくしたアーケードの大家の少女「わたし」と個性豊かな店々とその主たちやアーケードにやってくるお客たちのセンシティブハートフルストーリー。
時代に取り残されたような体のアーケードが舞台で父を亡くした少女の大家が主人公。連なる店も変わっており、というか現実ではお目にかかれなさそうなあたりファンタジーな要素が含まれた世界観のようで。
生と死の狭間に位置しているようなノスタルジックでセンシティブな人間のものがたりといったかんじ。うーんちゃんと説明できない、というか世界観を文字でかこうとすると野暮だなと感じる内容なので読んでみてくださいとしか(汗)
主人公は父を過去の大火災で亡くしているとか、アーケードの客や住人が綴るドラマとかから伏線が多分にあるけどドラマチックというより淡々と静謐な雰囲気の中、流れるように綴られるんだろうな。
雰囲気はすごくあるし作品としては良いタイトルなんだろうけど・・どことなくもう一歩なにか足りない感というかしっくりこない感がものすごい。
芥川賞作家の書き下ろしの原作つきというのがウリのようで。確かに物語自体のクオリティは高いと思うのだが、やはり小説という媒体で見せたほうがより深く楽しめるタイトルだったように感じる。作画担当者の力量は確かだし作品の雰囲気と絵柄はあってるんだけどなー。
原作:小川洋子 / 漫画:有永イネ
KCデラックス全2巻 / 講談社
ジャンル:女性・ファンタジードラマ / 好み度:★★★☆☆
てか後に小説本が出てた。