神永学の同名推理小説のコミカライズ。取り調べでの行動から特殊取調対策班に配属されたキャリア組女性刑事。班にはかつて落としの異名をとっていた老刑事と数学専門の大学准教授の青年。確率を使っての取り調べミステリー。
新米キャリア組女性刑事は、取り調べで過剰な暴力に反発し一度は辞表を出そうとするも特殊取調対策班に配属されることになる。特殊取調対策班とは、昨今の冤罪や裁判員制度などで取り調べの可視化が叫ばれるなか、正確な取り調べ方法を検証するための班。
落としの異名を持っていた老刑事はともかく数学専門の大学准教授の青年の言動に面くらいつつも、彼らとともにある事件を取り調べすることになる。主人公の女性刑事が、准教授の理論を交えつつ担当する事件の取り調べを行うというかんじ。人間の行動を、数式というか確率で理論だてて結論を出すという方法を使うので確率捜査官、ということらしい。捜査というか取り調べを勘とか心理方面での揺さぶりとかではなく行動を理論的に決定づけつきつけるという形になるのかなー。
数学関連の蘊蓄は全部理解できるというわけではないですが興味深く、主題ははっきりしていてミステリとしては読み応えはありました。また警察の正義という命題も含まれていてけっこうシビアというかシリアスな内容のようです。
あと准教授の所属する大学は八雲たちの大学らしく登場人物の脇役でちょっと出てくるらしいです。ちょっと楽しみかも。八雲よりはリアリティのある内容かな、とも。あと八雲と同じく1話完結形式の体裁ですが話は繋がっているという構成のようです。
原作:神永学 / 作画:マジコ!
あすかコミックスDX全3巻 / 角川書店
ジャンル:少女・ミステリ / 好み度:★★★☆☆