死人の声をきくがよい ひよどり祥子

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幽霊が見える少年の前に、ある事件の犠牲者となった幼なじみの少女の霊が現れる。件の事件は解決するもそれ以後も少女の霊は少年の元を離れようとしなかった。少女の霊を傍らに霊感少年が体験する狂気と恐怖の事件を綴ったホラーストーリー。
絵柄や作風といい、話運びといい、おどろおどろしくも強引な昭和のホラーを完璧に踏襲した上で今時な要素も加えた秀作なホラーという印象。主人公の周囲の死亡率の高さ(これは推理ものでも鉄板だが)とか犠牲者の死にっぷりとか死人が出た大事の前にしての妙に淡々とした雰囲気とかエピソードの若干投げっぱなしな印象とかほんと懐かしいなあと感じる(褒めてます)。
少女の霊は言葉を発さず指で指し示すなどの行動で少年に何かしらの危機を知らせ、はっきりと告げられない故に少年が少女の意図をくみ取るために考えねばならず、このもどかしさもホラー要素の見応えを増している気がする。
むちゃくちゃな残虐体験の後主人公だけ助かるというのはともかく、助かった主人公以外の人物が別の脅威に飛び込むとか、おいおいと突っ込みたくなる展開もあるが、そうしないと話のとっかかりが難しくなるか。
巻末の著名なホラー作家さんがたのコメントがあるのですが、まあ・・・自分の感想というか読んだとき思ったこと感じたこと全部言われてます;;

ひよどり祥子
チャンピオンREDコミックス全12巻 / 秋田書店
ジャンル:青年・ホラー / 好み度:★★★☆☆