主人公は冴えない高校生活を過ごした後、専門学校に入学し漫画家を目指すが鳴かず飛ばす、オンラインゲームでは上位ランクをとれるほどでうんちくを調べるのが趣味、という青年。そんな彼に覚えのない荷物が届く。それは究極の携帯モニターキャンペーンと名打たれ、1か月間神アプリが使えるスマホだった。
神アプリとは盗撮・位置特定・設備システムの介入など違法であり高性能なアプリのよう。喜び勇んで使ってみるがスマホを奪おうとする輩と遭遇しアプリを使って逃走するがアプリの使用の落とし穴に気づく・・というはじまり。某猫型ロボットの道具のように便利な道具であるが使いどころを間違えると破滅も呼ぶし制限もある。実際序盤で負債を背負わされけっこう崖っぷちなかんじ。主人公がアプリを使うことにより遭遇する様々な出来事、主人公がアプリをどう使いこなすか、使う方向にもっていくか、が見所のよう。
いわゆる不条理ゲーム系の話ではあるのだろうが、仲間ができるようでできない、主人公自身の立ち回りがポイントのようでそのあたりはちょっと話の組み立て方が違うかな。主人公はうかつな行動が目立つ基本バカなんだけど、追い詰められた状態でのとっさの判断とか観察眼とかは優秀で、というキャラ設定。この二極性をもってピンチとクリアを繰り返すパターンなのかな。絵は劇画調で正直主人公の素のキャラは気持ち悪いんだけど作風にはあっているのだろう。
栗原正尚
ヤングチャンピオンコミックス1~巻 / 秋田書店
ジャンル:青年・サスペンス / 好み度:★★★☆☆