日常には他愛のない小さな嘘があふれている。そんな嘘をつかない男子が気になる女子の話。
嫌なことは頑として拒否し自分を曲げずよく言えば正直者、悪く言えば空気を読まない男子。主人公の女子は中学時代は嫌悪でしかなかったが、高校で再会した当初もそれは変わらなかったがひょんなことからそれが長所に見えるように。そして主人公の兄の彼女が、男子の片思いの相手ということを知り、という展開に。
好きな相手に良く思われたいため自分を偽ったり秘密をもったり、片思いなのに相手の別の恋愛を成就させようと奔走したり、と自分にとって自然でないことをやる人間行動をテーマにしたラブコメ。
心情描写とか行動展開とかなんか惹かれるんだよなあ。まとめかたはちょっと中途半端っぽいけど著者にとっては実験的な意味合いの強いタイトルだったようで、ちょい納得。とはいえ主題をきっちり据えている良作。
表題作他、ふたばのとても災難な日・花嫁貸し出し中収録。どちらも人物相関とキャラ設定が巧みでうまくひねりを加えているし、話運びも読み応えがありました。
辻田りり子
花とゆめコミックス全1巻 / 白泉社
ジャンル:少女・恋愛 / 好み度:★★★☆☆