不完全な狼少女・りくは人目を忍んで暮らしていたが「願いの適う星」を探すため通いだした人間の高校で、一狼という少年と出会う。
「願いの適う星」というのは今は亡き父母から聞いた話であり、完全な狼となる望みのため人間の高校に通う主人公。願いの適う星と主人公のルーツがからむ戦国時代の話を絡めてつつ主人公と彼女が出会う少年との周囲を描く構成。戦国時代からの因縁と不穏な空気を漂わせつつ願い事をテーマにした物語。
センチメンタルな話だけでなくサスペンス要素も交っています。物語としては面白いのですが、ルーツである戦国時代の話と現代の話を交互に進める構成はちょっとわかりずらくしっくりきませんでした。
設定がややこしいし戦国時代のエピソードをさっさと提示しないと話の全容がわかりにくいんですけどね。
清涼な絵柄なのにけっこうドロドロな展開だったのが印象に残っています。人物描写は秀逸。
狼少女で中途半端な変身・・って獣耳と尻尾の萌えな風貌ってのがまた。今となってはベタですが当時としてはどうだったんだろう。どうでもいいことですが。
喜多尚江
花とゆめコミックス全1巻 / 白泉社
ジャンル:少女・ファンタジー / 好み度:★★★☆☆