恋はしたたかに 菊屋きく子

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自他共に認める遊び人のリーマン北見は、異動でやってきた眉目秀麗の栗崎が恋愛経験皆無と知り、好奇心から恋愛をレクチャーすると提案する。表題作シリーズ他、いつかおうじさまに・くりかえしの毎日を収録した短編集。

表題作は3作。リーマンもの。、異動してきた栗崎は綺麗で整った顔立ちで女子社員の注目の的。周囲も認める遊び人の北見は、栗崎はさぞ恋愛豊富と聞いてみたところ実は恋愛をしたこともキスやHもしたことがないという。何も知らない綺麗な栗崎が快楽を知るとどうなるか、という北見の興味からはじまる関係。好奇心から体の快楽を教えようかと提案に栗崎は了承し、以後度々性交渉をするようになるうちに、北見は徐々に・・という流れ。
栗崎は天然というかそちら方面は摺れていない上に折り目正しいキャラで感情が表に出にくいタイプ。チャラ系といいつつ実は真剣な恋愛はほとんどなくテンぱる北見。面白いカップルでした。
著者のカラーなんだけど、割いているページ数の割りにコマが他作家より大きいからエピソードもさほど盛り込まれないというか。内容は薄味だし、話もこれといって特徴がないけど、なんか惹かれるものがあるんですよね。
シチュエーションは大好物なジャンルだったし、仰々しくなくさらっとした雰囲気が個人的にあってるのかも。
詰め込みすぎてないゆえにゆうるりと楽しめるし、肝の部分でのキャラの表情がきちんと出てるからかな。
いつかおうじさまには、こどものころ姉と遊んでいて痛みを感じなくなる暗示を冗談でかけられたら本気でかかってしまった保育士と、事情を知る保育所のオーナーの話。ちなみに暗示をとく方法は両思いの相手によるキスという御伽噺的設定。肝の設定をうまく生かした展開が好印象。
くり返しの毎日は、幼馴染のことをずっと好きだった主人公が、幼馴染に彼女ができないのは自分のせいだと周囲に言われあきらめようとするが、という話。受の行動と話のまとめ方が可愛くて好みでした。
定番な話といえばそれまでですが、BLを堪能した、という気持ちになる作品ばかりでした。

菊屋きく子
アイズコミックスB-Links全1巻 / 集英社
ジャンル:ボーイズラブ / 好み度:★★★☆☆