僕らのポラリス  他少女漫画3件 

愛して在る (フラワーコミックス)
<木嶋えりん
愛して在る・嘘に秘密・ふる雨に恋と名前を・満ち欠ける月・ネコLOVER収録。主人公の母親は不倫の後シングルマザーとなり主人公の父親が能の師匠。父親の家が行うマイの教室に入った主人公はその長男と出会い、というのが表題作。成人したのを機会に自分の状況とか自分の感情とかふんぎりをつけるってかんじの淡々とした大人の区切りみたいな。他作品にも言えるけど、状況とか関係は結構ドロドロ系だし、女性の負の方の感情の吐露もあるし衝突的な展開もあるんだけど、そんな心情の描写においてもなおどこか凛とした雰囲気を持つ作風。大仰でないのに展開の手数が多いのも好み。あーうまく表現できなくてもどかしいですが他作品ではあまり見られない雰囲気が好みでした。★★★★☆

放課後×ポニーテール (マーガレットコミックス)
<田中てこ
漫画大好きの女子は、ムサい男にセーラー服姿の自分を取らせて欲しいと言われる。実は叔父さんは少女漫画家だったというはじまり。お約束で男性はきちんとすると美男子という。恋愛方面では同年代の男子が主人公に片恋で三角関係の要素があるものの、スパイス程度かなあ、これ。軽快なテンションでほっこりと楽しめる作風。快活な主人公のキャラとか、漫画家の男性の残念なところとかっこいいところのバランスの良さとか、同年代の男子の良い人っぷりがツボでした。★★★☆☆

僕らのポラリス (マーガレットコミックス)
<藤井亜矢
表題作ほかバンビとライオン・遠い隣より・小鳥遊はいねは恋を知らない・それなら3年後収録。表題作は男子2人と女子1人の幼馴染系恋愛模様。昔から、というより主格たる男子は周囲になじめない中、他二人に手をひかれ仲良くなるという前置きがある。ひとひねりある構成で、せつない話だった。他作品も好み。透明感のある絵柄と作風、思春期の男子女子の純粋でまっすぐな部分を様々な形で魅せている。★★★☆☆