優等生を演じ他者に一目置かれることを快感とする見栄っ張りの超秀才の雪野。順風だった見栄生活が高校になってから有馬総一郎によって困難になってきた。有馬を敵対視する雪野だがひょんなことから有馬に自分の実態がばれてしまう。そしてそれがきっかけで有馬と雪野は徐々に互いに共感するものを見出し引かれていく・・。
共感からなくてはならない存在に至る主人公2人の描写がうまいです。独白が多くて濃いのも特徴かなあ。互いの過去とかトラウマとかに向き合ったりライバルの出現とか成績とかいろんな障害を乗り越えて絆をはぐくむ過程がツボ。主人公2人以外の脇キャラの恋愛編とか有馬の家族編とか寄り道なエピソードも多いですがそれはそれで読み応えがありました。劇のエピソードは、ちとだるかったですが(作者ファンタジー描きたかったのかね)。有馬の精神的障害は果てがないというかそこなし沼というか掘っても掘っても出てくる暗黒に驚きが隠せませんでした。大人な雪野がすごいと思ったり。
津田雅美
花とゆめコミックス全21巻/白泉社
ジャンル:少女・恋愛/好み度:★★★★★