両親が事故で死亡し、両親の運転で死亡した人間がいたため賠償金などで家も失った学生の兄と妹。葬式が終わったころに奇妙な少年がやってくる。少年は自分を氏神だと告げ、彼が守る、兄妹にとっては遠い親戚の家にこないかと誘う。行く当てのない兄妹はその家に身を寄せることになるが。
兄は冷静というか感情の起伏が少なく、妹も気丈なタイプ。先が見えない状況ながらも流されるタイプではない兄妹に対し、氏神の方は、長く生きているわりに見た目と同様に中身もこどもっぽいというキャラ。
神様と未成年の人間の同居、みたいな話は大抵は神様が大人で人間はこどもの役どころが多いところ、こちらは逆の相関になっているところが面白い。
兄妹側のメンタルな部分のエピソードもあれば、氏神サイドの因縁に纏わるエピソードもあり。よく知らない互いが出来事により、徐々に親密になっていく過程が描かれていくのかな。
身につまされるほどに懸念される事はおおむね解決しており、リアルにせちがらい状況にやきもきするということがないのが個人的に良。主要登場人物たちの心が徐々につながっていく過程や、鮮烈かつ叙情的な心情描写が印象的なタイトル。
群青
KC×ITAN全4巻 / 講談社
ジャンル:少女・ファンタジードラマ / 好み度:★★★★☆