主人公は異性との恋愛経験なしの地味OL。仕事もプライベートにも停滞を感じていた中、破天荒な二卵生双生児の弟が現れる。彼が主人公に一生の頼みとした願い事は、自分に成り変わって女子校の教師をしてくれというものだった。
髪を切りメガネをはずすとイケメンとされる弟とアラ瓜二つ。弟が仕事を抜けての用事がすむまで、押されるままに教師をする羽目になる。主人公は地味というか男性にもてない側なのだが、つまるところ本来は端正なつくりで、男顔というか女性のほうにモテるタイプの顔立ちというわけ。
代行する中、弟は女生徒に恋愛的意識という意味も含めて親しまれる対象であることがわかり、心中では弟の所業に罵倒しつつも入れ替わりがばれないように四苦八苦するはめに。しかし弟と親しかった生徒たちの中には、大なり小なり悩みというか懸念することを持っており、それをするりと自然に受け止めたことにより慕われていたというかんじのよう。事の始まりである弟は一見生徒と必要以上の関係を持つチャラ男にみえて、実のところは女生徒たちに目線を合わせた善き理解者であり相談相手でもあったわけということ。
そして、生徒同士の百合的な関係とか男装趣味を持つ生徒などがおり、その他もろもろ思春期の年代に全くないとはいえないエピソードが次々と展開されていきます。主人公は自身が女性であること、女子校出身でいわゆるお姉さま的に慕われていたこともあることから、なんとかかんとかやっていき、トラブルを回避するための行動から、良くも悪くも、思ってもいない方向に事態が進みまたあわてる、といった具合。
話を展開するにあたっての手数が多く、わかりやすい構成で、興味深く読める話でした。りぼんレーベルですが対象読者層よりも上の読み手にも受け入れられる内容だなと感じました。
なかはら・ももた
りぼんマスコットコミックスクッキー2巻 / 集英社
ジャンル:少女・学園 / 好み度:★★★☆☆