女と見間違われるほど女顔の男子。その容姿ゆえに女子たちの嫉妬を買いいじめられた過去から女性と疎遠な生活をしていた。しかし大学入学を機に変わろうとした矢先、父親の再婚で家を追い出されてしまう。
そして疎遠だった叔母の家に住むことになるが、その叔母は主人公が通う大学の准教授であり、源氏物語の熱心な研究者でもあった。そして叔母は主人公に、自分の研究対象になり１４股をかけ、現代の光源氏を目指すよう言われる。
源氏物語における光源氏の恋愛行動を主人公がトレースすることにより光源氏の心情をより深く読み取るのが叔母の目的。つまるところ学術的研究を名目に、源氏物語をレンアイ指南書に、光源氏の恋愛を実践しようという試みか。
１４股の対象となる女性たちは、叔母の源氏物語の中で特に同調したもしくは興味を持った帖に関するレポートから選出するので、０以下から恋愛を始めるわけではないところは巧くできている。
一番目は朝顔の君に関心を持つ身近な従姉妹から。とはいえ初期の光源氏もそうではあるが、主人公は女性慣れしておらず、まず女性に慣らせるため叔母自ら胸を触らせたり恋愛の手ほどきをしたりしている。
源氏物語をモチーフにしているが源氏物語にしばられすぎずラブコメものとしてうまく作られているかんじ。エロとレンアイに至らせる設定のアイデアと話運びが秀逸と感じた。
稲葉みのり
ヤングジャンプコミックス１～ / 集英社
ジャンル：青年・ラブコメ / 好み度：★★★☆☆
TLだけが好きらしい従姉妹を腐女子とカテゴライズするのはいささか納得がいかないんですが。