宮大工の棟梁の孫だが高所恐怖症の青年は、目指した就職が決まらず地元に帰る。家業の跡継ぎの弟との確執、定まらない進む道、そんな中、一人の女性と出会い恋に落ち宮大工を目指すことに。しかしてその彼女は宮大工につく木の神だった。
主人公は宮大工の棟梁の家系。父は他界し、本来は長男である主人公が継ぐところだが跡取りは天才と目される弟がなっている。主人公は教師を目指すものの就職に失敗、恋愛もうまくいかず地元に帰る。
宮大工の弟に疎まれつつ日々を過ごす中、ある女性と出会い一目ぼれをする。それをきっかけに、高所恐怖症というネックから避けていた宮大工への道を進み始める、というはじまり。
主人公の実年齢は２４歳なんですが、それにしてはキャラというか言動というかが、どうにも幼い印象を受けました。教師を目指して挫折、ならこの年齢が妥当なんだけども・・まあ学校を出てさほどたっていないわ、目指した道が順当でなく迷走しているわ、ならこういうものか、と思えてきましたが。
高所恐怖症の克服よりも、天才肌で将来も嘱望されている血縁がない弟との絡みが人間ドラマ的見どころの１つなのかな。木の神との交流はむろん恋愛要素もあるがどちらかというと宮大工の道のとっかかりのようで。
人間関係と進む道、この二極を柱とした二十歳を過ぎた青春もの、というわけか。雰囲気としてはゆるやかな作風だけど芯はしっかりとした作品、という印象。
有永イネ
講談社コミックスデラックス全３巻 / 講談社
ジャンル：女性・ドラマ / 好み度：★★★☆☆