閉鎖された田舎町を逃げるように東京に出てきた大学生の匡平。彼は縁のある意中の女性に告白しようと待ち合わせたところで死体を見つけてしまう。この事件の直後、里に残してきた匡平の「妹」が「案山子」を連れてやってくる。
案山子とは主人公の里が信仰するご神体で、それに魂を込め動かす神子が存在する。主人公はその役目だったが縛られることを嫌い妹にその役目を譲っていた。しかし問題を起こし幽閉されていた先々代の青年が牢をやぶったため現役目の少女が東京に探しにきたという。
案山子という神の力をやどした人形を動かすバトルもの・・ではなく人間ドラマ主体かな。案山子とは関わった主登場人物にとっての避けたいまたは避けられないものの象徴っぽい。そして案山子に関連した悲劇、主人公が村を出た理由や先々代の暴走の真意、過去の忌事などが話の根幹となっています。
重い展開のみならず、現役目の少女の成長とかラブコメといったコメディ要素もそれなりに加味されています。それにしても同じヘタレでも男性と女の子ではどうしてこう雰囲気が変わるんでしょうな。
やまむらはじめ
サンデーGXコミックス全12巻 / 小学館
ジャンル:ドラマ・アクション / 好み度:★★★★☆