生きる義務を放棄した人たちは死亡したとみなされある島に流される。自殺願望の人々はその島でなにを行うのか。
政府が増加する自殺者を見放す政策に出た社会が舞台。何度も自殺し生きながらえた人間は「常習指定」され、本人の了承とともにIDを抹消、ある島に送られる。
主人公の青年もその一人、島には他にも多く同じ自殺願望の人間がいた。あるものはすぐに自殺を図り、あるものは違和感を感じ生き延びようとし、またあるものは枷がない現状で思うままに行動する。
何度も自殺する人は助かってもまた自殺を試みそのたびに医療などの手間がかかるつまりは国の負担になるってんで隔離するということか。非人道的なんでしょうが、イキガミ設定よりははるかに受け入れられる設定かなー。
バックボーンはともかく話の根幹は孤島サバイバルかな。自殺願望という共通のものをもつ人間でもそれだけで集まると普通の社会と同じような構造になるのな。その辺のせめぎあいが見所なのか。
死を望んだ主人公が極限の状態に置かれ生に向き合うって展開だとは思うのですが・・。
何度も自殺を図るのは死にたいのではなく逃げたいだけでほんとは生きたいって人なんだろうなと昔から漠然と思っていたもので、個人的にはその考えを体現されているようなタイトルに思えました。
森恒二
ジェッツコミックス全17巻 / 白泉社
ジャンル:青年 / 好み度:★★★☆☆