祖父から譲り受けた古書店の店番をしつつごく普通に暮らしていた男子高校生を襲う異形の化物。それを救ったのは日本刀を携えた少女だった。高校生が持っているはずだという魅宝を巡るファンタジーアクション。
・・という内容ですが、水木しげる氏そのまんまな絵柄と雰囲気で展開されているところが最大の特徴のタイトル。
著者はもともと水木作風を使ったパロディ作品を描く人だそうですが、こちらの作品はパロディでもなく絵柄をネタにもしておらず、作品の中では水木作風と言う要素は言及していません。読者が、この絵柄は・・とびっくりするだけです(笑)絵のみならず、コマの使い方とか人物の配置とか、おお!と思ってしまった。
話の展開・設定はそのまんまラノベもしくは萌え要素込のファンタジーアクションです。刀鍛冶と書いてソードスミスとか能力者と書いてカテゴライズとか、今風なファンタジックなノリもこの絵柄だと古典妖怪の退治ものに見えてしまう。いや妖怪退治であってるんだけども。話と絵が絶妙に交じって新鮮かつ率直に面白いと感じました。特に主人公たちが主人公自身や敵能力者の能力の法則を手探りで探るあたりの攻防とかがツボでしたね。
水木作風という特徴が作品の面白さを加味させているのは確かだと思うのですが、出オチ?のみならずしっかりと読ませる、そして楽しめる内容でした。
ドリヤス工場
REXコミックス全2巻 / 一迅社
ジャンル:ファンタジー・少年 / 好み度:★★★★☆