百器徒然袋 鳴釜 薔薇十字探偵の憂鬱
薔薇十字探偵社を営む探偵・榎木津礼二郎を主人公にした探偵小説のコミカライズ。奉公先の息子たちに乱暴され自殺未遂を起こしたという姪の事件の調査を依頼が舞い込む。礼二郎は京極堂たちと共に彼らを破滅させるための悪巧みを敢行する。
悪事を働かれても身分・権力の壁から泣き寝入りした女性とその家族を不憫に思った従兄弟の青年は薔薇十字探偵社を訪れる。破天荒で悪趣味、記憶を垣間見える能力を有する所長の榎木津礼二郎は、女性に乱暴した面々とその親に制裁を加える計画を立てる。事の次第を解き明かす推理ミステリと悪人を退治する計略ロジックを内包した読み応えのある内容。
京極堂シリーズでは見られない痛快さも特徴か。当時の世相の表現、キャラクターのインパクトのある描写構成はあいかわらず見事。大団円ではあるものの件の女性の災難とつきつめればその原因となった男性には個人的にもにょる部分もあり。
百器徒然袋 瓶長 薔薇十字探偵の鬱憤
探偵・榎木津礼二郎を主人公にした推理伝奇シリーズ。１作だけかと思ったら続編もあった。
壺まみれの屋敷の女性・骨董屋などが入り混じった詐欺と殺人が絡むサスペンス。主人公といっても物語全体を見るとやっぱり脇役ぽく京極堂のほうが目立ってるという。作品群の中ではサスペンスとしてわかりやすいタイトルでした。
以下、読んでますが感想は省略します。推理サスペンスだしネタばれしそうだし。
どの話も最後の最後まで先が読めないところがいいなあ。
百器徒然袋 山颪 薔薇十字探偵の憤慨
百器徒然袋 五徳猫 薔薇十字探偵の慨然
百器徒然袋 雲外鏡 薔薇十字探偵の然疑
原作：京極夏彦 / 作画：志水アキ
怪コミックス各全１巻 / 角川書店
ジャンル：青年・ミステリサスペンス / 好み度：★★★★☆