マガツクニ風土記 吉田史朗 / あまやゆうき

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その国では人々は村落に住み農業を営み神事にて選ばれた者は神防人として神都に年貢免除の奉公に駆り出される。神防人に選ばれ村の外に出た青年カズチは、世界のしくみを知る。
冒頭は、古代の日本のような印象を受ける農業村落の人々の生活が描かれ、神事から神防人が選ばれることが決まり事であり主人公の青年がそれに選ばれる。和風ファンタジー系の話かな?と思ったら(いやある意味そうなのではあるが)外の世界は現代社会っぽくなっているところであれ?となる。主人公をはじめとした選ばれた人々が道中で触れるものは現代では当たり前にあるものなのに主人公たちには見たことがない、という演出がうまい。そして主人公たちは、高圧的というか胡散臭そうな案内人に神防人の役割を知らされる。
つまるところ防人というその名の通り主人公たちは得たいのしれぬ化け物を封じた結界を守るということのようで、ディストピアにおける軍事戦闘絵巻でいいのかな。独特の世界観の作り込みは深く、物語の規模の大きさをゆっくりと読み手に知らせる構成は見事。実際1巻はプロローグでしかないが続きが読みたくなると思う。

作:あまやゆうき  画:吉田史朗
ビッグコミックス全6巻 / 小学館
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★☆☆