舞を得意とする男装の麗人の旅芸人の女性は、皇帝に請われ舞人として後宮に入ることになるが。
古代中国のような世界観。旅芸人の一座の役者で、男装の麗人の女性が主人公。過去兄を浚われ父母を殺され一座に拾われ役者として生きる彼女は、弟と思われる男性を見つける。その男性は皇帝で、主人公の舞を気に入り後宮に入るよう告げられる。仲間は陰謀が渦巻くとされる後宮に入るのを懸念するが、皇帝が弟かもしれないという気持ちもあるため後宮に入ることを決意するが。
主人公は後宮の女性たちの慰める芸人として呼ばれており、ある出来事から側近に半ば脅迫に近い状態で、皇帝に仇なす因子を後宮から探るスパイをすることになるという展開。主人公は過去の出来事からナイフの腕や身の軽さがあるという動かしやすい設定や宦官と同じ立場という設定はうまい。
市井の少女が後宮に入るという展開ですが、ほかの少女漫画のようなのっけからのロマンス展開や皇帝の信頼を得て動くといった甘い要素がほとんどなく、陰謀に巻き込まれたというか駒に使われているというかな主人公の立ち位置が特徴か。死人も出るしこの辺りのリアルさというかシビアさはプリンセス系ってかんじですが。
構成はしっかりつくられているものの、皇帝をめぐる周囲の策謀は割とオーソドックスなだけに途中で飽きる場合もなきにしもあらず。個人的には主人公の浚われた兄をどう物語において使うかによって見方が変わりそう。なんとなく女性より男性に受けそうな話つくりという印象も。
すもももも
プリンセスコミックス全１４巻 / 秋田書店
ジャンル：少女・ドラマ / 好み度：★★★☆☆