記者志望のマリアとウィルスにより共感覚を持つ鉄の闘争代行人カナンなど、ウーアウイルスとテロ組織のウィルス実験が絡む策謀に関わりまた巻き込まれる人間たちが交錯するハードボイルドアクション。
2年前渋谷でウーアウィルスという殺人ウィルスを使ったテロが起こった世界。そのテロの被害者ながら父親が制作したワクチンで命を取り留めたカメラマン志望の少女・マリアは新聞社の上司とともに上海に訪れ、既知である少女カナンと再会する、というはじまり。
件のテロに使われたウィルス、犯罪組織によりまるごと実験場されたある村が物語のキー。たいていは血を噴出して死亡するが稀に生き延び特殊な身体能力を有する場合があり、カナンもその1人。立ち位置というか生きる場所が違いすぎるカナンとマリアの絆、カナンと犯罪組織のトップの女性との確執、などの人間ドラマと、ウィルスに絡む組織VS主人公側のアクションが物語の二柱、かな。一口で説明できない;
面白いのは、敵味方の図式があるものの、主人公側の人間たち、ウーアウィルスを作りだす組織側の人間たち、それ以外の人間たち、各々ドラマを持っておりそれをきちんと描かれているところ。といってもドラマというほどには深くないのですが、どの登場人物にも感情移入しやすいつくりというか。粘っこくなく記号でもなくいいバランス。
個人的には退屈せず次も見たくなる構成でした。それなりに込み入っていて独特の設定もあれど徐々に解明されていくし、当初は話を追うのが難しいところもあるもののその分人間描写をきっちり魅せているのでそちらに意識をもっていけるという。
あとなんといってもアクションシーンが流麗でものすごく好みでした。カナンの動きが特に好き。エンタメ作品として申し分なく楽しめたタイトルでした。
2009年独立UHF局他放映全13話 / 堪能度:★★★★★