銃士同士の早撃ち勝負「決闘」が堂々と行われるアウトローな世界が舞台。亡き父の銃を持つ凄腕の銃士主人公は、兄を探す旅の途中決闘を避ける信条を持ちつつ巻き込まれた事件を打開すべく腕を奮い、不幸な過程を持ちつつも己の為す事を為す少女、主人公の父親と縁を持つヤマ師の青年が加わる。
3人の出会いのきっかけとなったエピソードから紆余曲折の末3人で旅をすることになるという王道な展開。しかしありがちと思わせない構成力と自然と引き込まれる人間描写、要所要所で印象に残る形で表現される主要人物の目的と謎、点と線が繋がるようなストーリー展開が見所。くどい説明がなく、登場人物同士の会話も仰々しくないリアルなやりとりで、すんなり物語に入ることが出来るところも好印象。
「読み物」として高い質を持っており、申し分ない画面構成技術も健在です。ガンアクションに抵抗が無い人ならお奨めのタイトル。
余談になりますが、かつての世のおじさんが、西部劇を好むのは、一対一の一瞬の生死を分ける勝負、洗練された技の競い合いってところに武士の真剣勝負と共通するところがあるからなんですかねえ。
皆川亮二
ウルトラヤングジャンプ全17巻 / 集英社
ジャンル:青年 / 好み度:★★★★☆