沖縄本島から南にある羽照那島に、東京から一人で転校してきた少年は、島の少年・竜胆との出会い、東京では経験し得ない島独特の生活に関わりを持つことになることからゆるやかに変化が訪れる。
主人公はわけありで南の果ての島・羽照那島に留学生としてやってくる。なにもかも都会と違う生活習慣と出来事、内地の人間という現地の人の眼とかに振り回されつつも癖の強い島の少年と仲良くなる。そんな主人公の視点の他に、担任教師の民俗学の調査に伴う島の昔の風習といったものも要素に組み込まれています。ヤギの解体や、翼竜の化石探し、神聖な伝統の祭りの参加といった島の日常を自然に描いていく構成。
これ、というインパクトは薄いのに物語に入りこんで読んでしまう不思議な作風。似たかんじの話はけっこうありますが個人的には風景描写がダントツに好みです。正直なところ感想を書きづらいしお勧めポイントというのを示しずらいんだけど、じっくり読むとおそらくは著者が示したい主題が提示されている良作だと言えます。それにしても主人公が小学生に見えない・・。達観した気質だからかな?
うめ
バンチコミックス全3巻 / 新潮社
ジャンル:青年・ドラマ / 好み度:★★★☆☆