壮絶な半生と統合失調症を抱える著者のエッセイ。36で20以上の年上の男性との恋愛模様や病のことや様々な経験を描いた内容。
著者は女性で統合失調症を患っている。過去の出来事、経歴や前夫の話とか冒頭で描かれているが壮絶というほかなかった。執筆当時も統合失調症は治療中、そんな中、20歳以上年上のおじさんと意気投合し恋人同士になり彼との生活とか、独自の判断で失調症の薬をやめたため症状が悪化、飛び降り自殺をして病院に運ばれ復活に至るまでの話とかがメインかな。
この本を読むまで統合失調症ってどういう病なのかピンと来ていなかったんだけど、起きている状態で夢を見ているかんじに近いんだなあと。幻覚、ってこういことかとなんとなく理解できたという。夢って悪夢の場合ほんと洒落にならない危機感を覚えるけどそれが起きてるときに起こるのか・・。普通の夢なら起きれば覚めて落ち着けるけど、罹患者の場合は薬でゆっくり症状を改善させねばならないのね。
入院中の話はほぼ幻覚?夢?の話が延々と続くけど、ああ夢ってこんなかんじだなと思った。執筆時も体調が万全じゃなかったみたいなことがどこかに書いてあって、言われてみればよく見ると線がへろへろだった。けど、そんな印象をうけないというか全く読みにくくなかった。登場人物の特徴を明確にしてるからってのもあるのか。漫画が描ける人ってほんとすごいな。あと薬の量の多さにびっくりした。自分だときっと胃が壊れる・・・;;
後に1作目のその後を描いた続編も刊行されました。
卯月妙子 / イーストプレス
人間仮免中 / 人間仮免中つづき 各1巻
ジャンル:エッセイ / 好み度:★★★★☆