夜に生まれた 星野リリィ

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「夜に生まれた」「南の島の神様」「香獣ラーラーガ」「歌唄い」を収録したボーイズラブ短編集。
御伽噺を彷彿とさせる著者にしか生み出せないであろう独特の設定による物語たち。シリアスありコメディあり。一話がすごく短いので雰囲気とシチュエーションを楽しむタイプかな。
「夜に生まれた」
光り輝く存在ゆえ夜の女王に呪いをかけられた魔獣「いばら」。その呪いとは本当の愛をくれる者以外に触れられると相手を宝石に変えてしまうというものだった。そんな不思議な噂を求めやってきた旅人の青年は、出会った少年の導きの元「いばら」のいるという森に入る。いばら姫をモチーフにした御伽噺。優しくもどこか凛とした雰囲気がツボでした。
「南の島の神さま」
南国の島の物語。神の子として一生島で暮らすことを余儀なくされる神官の少年と仮面職人の青年。神官の少年は仕事が終わり島を出る青年に己の望みを告げる。交わす言葉は少なくともせつなくいとおしく互いを恭しく思う気持ちがあふれる2人の描写は絶妙。
「香獣ラーラーガ」
他作品と毛色の違うコミカルな雰囲気の話です。受けキャラが一途なところは同じかな。
はじめ人間を彷彿とさせる狩猟・石器時代が舞台ですが独特の風俗文化設定に脱帽。最先端の原始コギャル(古語)な妹が素敵過ぎる(笑)
本筋は、ちょいへタレな兄は人型の獣・香獣に魅入られる話。可愛くて笑えるコメディ。
「歌唄い」
現代設定で高校生BL。合唱を通じて想いを通じ合わせる2人青い春チックなお話。攻くんの口説き文句がすばらしい(笑)

星野リリィ
ビーボーイコミックスデラックス全1巻 / リブレ出版
ジャンル:ボーイズラブ / 好み度:★★★★☆