ある日、突然空からなにかが降ってきて街は瓦礫と化す。携帯もつながらず救助も見込めない状況の中、生き残った人々はどうなるのか。
主人公は教師との関係から、教師に懸想する同級生に疎まれる無気力な女子高生。関係を持つ教師は客観的にみてもあきれるほどの自己中心で良くも悪くも巧みに人をからめとるタイプ。教師は惨事下でもその性格を遺憾なく発揮したがため、事件が起こり、後々それが物語のネックになってくるという展開。
地震や豪雨といった災害と違って、空から閃光が降ってきて気がつけば街が崩壊していたという理解の範疇を超えた状況、登場人物たちと同様読み手にもその状況設定が読み取れないために、さらに臨場感を増しているように感じます。
いわゆるパニックものですが、いかに生き残った人々が生き延びるかということよりも、平凡な日常から逸脱した状況における人間のさまざまな感情や行動に重点が置かれているような。助け合ったり罵倒したり、冷静だったりどれもこれも人間描写が生々しい。
他のパニックものに比べて、話の運びがスムーズなので読みやすくリアリティがあります。赤裸々な人間ドラマがみたい人向けか。
林ふみの
YA!コミックス 全3巻 / Bbmfマガジン
ジャンル:青年・サバイバル/ 好み度:★★☆☆☆