表題作のほか、紺碧の空の先に何があるか・目隠しの鬼・4つの瞳・その眼が閉じるまで・もし、その箱を開いたら・風が消えた日を収録した不可思議な物語たち。
平穏な日常に少々退屈を感じていた女子がふと入った古本屋の奥で店主が行う読み聞かせに興味を持つ・・という表題作をはじめとした作品集。
内容的には世にも奇妙な物語系のアメージングストーリーといったかんじ。世にも~よりバッドエンド感は少ないものの総体的に暗めというか静謐かつせつなさを感じる余韻を残すタイプの話が多いようです。
どこまでが現実でどこまでが不思議領域なのか、どれが真実でどれが虚構なのか、というのが堪能できる構成。物語に漂う切ないような悲しいような絶妙な空気感とかモノローグとか雰囲気は巧いと感じました。
個人的には読解力が足りないのか、どういうことだったんだろうと狐につままれたような気持ちになる話もわりとありましたけども(汗)設定や構成が面白かったのは双子がわりとよくいる世界の話と噂の話かな。
井上ナヲ
フラワーコミックススペシャル全1巻 / 小学館
ジャンル:少女・短編 / 好み度:★★★★☆