フォルミが出会ったのはとある王国の王子。引きこもりの姉のため婿取りに女性に変身して学園に入るというが・・。学園ファンタジーラプソディ。
フォルミは、流れ星のような光を見かけ、追いかけるとそこにはとある王国の王子が現れる。本来は男子だが女子に化けて、引きこもりの姉の変わりに姉の婿取りをするためにフォルミの在籍する学園に入学するという。
王子の秘密を知ったフォルミは、マズいことを言えなくなる首輪をされ、王子に従属?することになるが・・。
神獣やら吸血鬼やら妖精といったファンタジーキャラクターたちが学園生活を送っているという幻想世界観。いわゆるファンタジー学園生活もの。
主人公のフォルミは、服装も容姿も言動も可愛らしい少年に見えるキャラクター。1巻終わりに本当の性別が読者(と王子)にわかる構成ですが、周囲には実はそれな認知されていたというかんじ。大体察しの通り伏線になっています。
フォルミは王子に強制的に従わせられているという立ち位置ですが、切羽詰まったかんじはなく、拒否はできなくて婿取りにそれなりに協力する羽目になるといったゆるい感じ。
総じて掲載誌のカラーらしく、登場人物たちのファンタジー学園内でのエピソードがハイテンションにまわっているというかんじ。著者の話は直球のシリアスが多めな印象ですが、こちらは不穏な設定はちらちら見えても他作品よりコメディ度が常っぽい雰囲気です。
登場人物の出し方が雑多でストーリーの流れが呑みこみづらいところもありましたが、魅力的な様々なキャラクターがこれでもかと話を盛り上げているといったノリで、じっくり読むと味が出てきて面白くなっていきました。本来の王子の目的が解決しないままなのが気になりましたが、お祭りのようなノリと恋愛フラグな展開がツボで楽しませてもらいました。
上田信舟
ゼロサムコミックス全3巻 / 一迅社
ジャンル:ファンタジー・少女 / 好み度:★★★★☆