入学式の前日、自己紹介の訓練を懸命にする女子。彼女は流暢に言葉が出づらい悩みがあった。そんな彼女に投げかけられる様々な言葉と感情、そして出会いを通して描かれる青春物語。
題名にあるように主人公の女子はすぐに言葉が出ないというか出したいのにつっかえるよう。特に母音が言いづらいらしく自分の名字が特に言いづらい。緊張すればするほど言葉が出ない。そんな彼女に同級生や教師は様々な言葉を投げかける。そんな中、しゃべれないなら紙に書けばいい、と気さくに話かける女子と出会う。そしてその女子はギターは弾けるが音痴、主人公は歌う分には流暢ということでバンドを組もうと誘う。
自分の他者と違う部分に、対人関係に、戸惑い立ち向かい衝突し昇華する。まどろっこしくじれったくもどかしい、様々な感情をひっくるめたまっすぐな青春もの。主人公のキャラ設定が異色なわりにリアリティあるなあと思ったらあとがきを見て納得。エピローグの演出はいろいろ想像できて余韻が残って良い。
押見修造 / 太田出版全1巻
ジャンル:青春・青年 / 好み度:★★★☆☆