ある日本人青年がロスに渡る。彼は警察官なのだが、通り魔殺人犯と対峙したにも関わらず犯人を抑止できず自身は刺され、一般人が犠牲となってしまい、警察の幹部の父親たちからほとぼりを冷ますために渡米したという経緯。
警察官になった経緯や事件の悔恨などからぐるぐると停滞する青年は、町中で青年の事件を知る日本人青年・波照間猛と出会い、波照間に、羊のいる街ではないと告げられる。その後、偶然出くわした発砲事件で父親を殺された少年を保護することになったことから、波照間と再び出会い、その後主人公は波照間の所属するガーディアンチームに入ることに、という展開。
題名から波照間が主役なのかなと思ったが、警官青年のある種の物語であり、戦闘に関しては心身ともに「羊」の警官の青年の視点から波照間を描くのが主題なのかなと想像。序盤は少々読みづらかったが波照間が何者か、なぜ主人公を助けたのか(関わろうとしたのか)がぼんやりとわかってくるとだんだんと面白くなっていった。
アクション描写は秀逸だが人間描写は少々くどい印象。闇社会においてのリアルなやるせない要素が苦手でなければ読み応えはありそう。
せきやてつじ
ビッグコミックス全8巻 / 小学館
ジャンル:青年・ハードボイルド・アクション / 好み度:★★★☆☆