緑画舎

コズミックカラー (マーガレットコミックス)
四元 シマコ
暮らしの雑学を知り実践するのが趣味の女子。周囲にも知識を披露していたが敬遠されたことから親しい人間にしかしなくなった。そんな中、よく遅刻をする隣の席の男子と雑学知識をきっかけに話すようになるが、という青春もの。ふたりが交流を続けるうちにうちとけて各々自分のコンプレックスとかうまくいかないところとか出していき、よりよい方向へ進んだのちに恋愛方面も・・と段階を踏んだ丁寧な展開と大仰すぎない素朴な心情描写がツボでした。愛らしい絵柄も好き。★★★★☆

ぼくらのゆくえは (マーガレットコミックス)
渡辺 カナ
表題作シリーズ２作の他親友のミカミくん・君の空にふる夏の雨収録。表題作は連載打ち切り後スランプで漫画家をやめようとしていた青年の前に現れたのは、北海道から上京し隣に引っ越してきた劇団員の女性。劇のチケットをめぐってのファーストコンタクトの後似た状況の二人のやりとりから各々の道の精進でまとめられる。短編少女漫画ゆえか優しくもベタな展開なのだが登場人物たちの豊かな表情・心情描写がいちいち印象的で読後感が良い。２作目の担当側の話を見るに似たもの担当と作家だなあと感じる。他２作も恋愛系短編なのに物語にふたひねりくらいあって構成が秀逸。どの話も男子が実は涙もろい系なのも特徴か。★★★★☆

寄り道のふたり (ちゃおコミックス)
中嶋 ゆか
自分を見失ったり、現状に嘆いていたり、失恋したばかりだったりと、沈む気持ちを持つふたりが出会い「寄り道」をすることで先へ進む。登場人物の出会いや交流から大切な何かを得る、そんなオムニパス短編集。せつなくもじんとくるハートフルで清廉な小さな物語、といったかんじ。どの話も心に残る綺麗な終わり方で読後感がとても良い。全２巻。★★★☆☆

夏恋スローライン (ちゃおコミックス)
久世 みずき
バスケ部のマネージャーに熱意を燃やす主人公の少女、部のエースで主人公と幼馴染の男子、もう一人のエースで無愛想な男子で綴られる青春もの。バスケ部活動を下地に恋愛では三角関係な展開に。主人公の有能さと一生懸命さ、３人各々他者を大切に思うがゆえの行動が印象的。微笑ましくも爽やかな作風。同時収録は夏色少年。TOKYO指向GIRL、東へ収録。

ひみつ×ひみつ (ちゃおコミックス)
森田 ゆき
舞台となる学校のあかずの間の秘密を巡る恋愛オムニパス。あかずの間とそこにあるメッセージに描かれたひみつのノートをきっかけにカップルができるまで、というかんじ。幼い絵柄に合ったかわいいラブコメでほっこりとする。探索ミステリ要素もわりとしっかりつくってあって恋愛展開にいいスパイスとなっている。同時収録はずるい恋です・きゅん！収録。★★★☆☆