就活をドロップアウトしてレンタル屋のバイトをする青年は、周囲が恋愛対象からはずしているひとつ上の先輩の女性に惚れている。青年はあれこれとアプローチをしてみるのだが、手応えがあるのかないのかもどかしく・・・。
レンタル屋の人間関係を舞台にした20代の恋愛模様を描いた話、かな。
主人公は仕事仲間の1人の女性に惚れているのだが、そのヒロインは、マニアックな映画にしか反応しない・フリーダムな気質などから周囲から恋愛対象になり得ない「圏外」と見なされているというところが肝のよう。
惚れた相手にアプローチはするのだが本当に特定の映画の話題にしか反応せず、かといって毛嫌いされているわけでなく、まあ関心が薄いってかんじのようだが、反応がまったくないわけでもなく・・という。またバイトの同僚の目に絡む失敗とかいろいろと、彼女と周囲に振り回され詰んだり崩したりな展開。
ヒロインもアクが強いがヒロインとつるむ女性も印象が強い。ヒロインをよく知っていそうで主人公をたきつけたりと、物語の一端を担っている模様。
ヒロインはなんだろう、人に期待しないし相手の期待に沿おうともしない孤高タイプなのかな。なんかもってそうなのはなんとなくわかるけど、ヒロイン側からの描写がないのでものすごく気になるし、巧みだなと感じる。ヒロインのキャラと彼女に振り回される主人公のキャラの対比も良い。
大仰な演出はなくジワッとした雰囲気、日常に見られる会話ややりとりで展開されるのでリアリティがあり、地味に続きが気になる構成。時折見せ場というべきヒロインのはっとする言葉とか、ゆっくりとしたスピードというか間で表現される人間描写は興味深い。
大瑛ユキオ
ビッグ コミックス 全3巻/ 小学館
ジャンル:青年・恋愛 / 好み度:★★★★☆