正義警官モンジュ 宮下裕樹

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中央勤務でエリートコースまっしぐらだったが地方の派出所へ転勤、同僚とともに働くうち少しずつ地域になじんでいくロボット警官モンジュの物語。
プロトタイプである主人公の出来が良かったため量産型が生産され、そのために地方転勤、しかし彼も兄弟たちも問題を抱えているという状況。ちなみに名は体をあらわすのごとく主人公の動力源は原子力。モンジュのキャラはある意味ロボットらしく観察と分析のモノローグが多いけれど、感情は陰気というかぐだぐだ悩むタイプ。表向きは適当でスケベなキャラの同僚と対比した感じですね。
最初の頃は田舎を舞台に慣れない環境のなか、ちょっとスケベな同僚と共に働く日常を描いた成長ものだったのですが、兄弟であるロボットの暴走といった主人公に関わる警察側の策謀というハードな展開に。ひと段落すぎると、またまったり警官物語になり、また本筋にいくという構成。
悪役の緻密な画策、自己のアイデンティティが揺らぐモンジュ、複雑な人間関係の描写。いろんな意味で読み手を引き込む構成が特徴。悪役はとことんえげつない性格だし、モンジュ側の人間も一癖も二癖もあるタイプばかりという、容赦のないキャラづくりもね。
日常ネタは素直に面白いと感じる話が多いです。コミカルなものからしんみりする話まで多彩。個人的にはm○xiネタの話はかなりお勧め。
本筋シリアスも日常話も社会に身を置く存在が感じる矛盾や憤りに対しなんらかの答えを出そうとしているところが魅力なのかな。

宮下裕樹
サンデーGXコミックス全12巻 / 小学館
ジャンル:青年 / 好み度:★★★★☆

モンジュを見ているとどうしてもパトレイバーとかタチコマを思い出してしまう・・。