人気歌舞伎役者の優紀は脚本家・秋川に密かに想いを寄せていた。優紀は女好きの秋川が、茶汲子の少年・菊丸に興味を示した様子なのがひっかかっていた。そんな中、秋川は優紀に寝てみないかと誘う......。
時代は江戸時代あたりでしょうか。芸の世界の独特の雰囲気がほのかに香るちょっとレトロな台詞まわしと展開がツボでした。主人公・優紀の、恋の画策やモノローグは女性のそれとけっこう近いものもあるせいかリアリティが感じられました。(優紀の職業が女形ということにも関係あるのかも?)時間の許す限り片恋の相手と会いたい。恋敵に嫉妬する、つらい行動をとられても相手に対する想いはかわらない......。悪い意味ではない生々しさがありますね。続編の「蚊帳の外」は菊丸に焦点をあてた作品。心理描写の細やかさが印象に残りました。
ラストは余韻が残るというか悪く言えば決着がつかないまま終わっています。
「小春日和」は後日談。本編はちと判りにくかったラストでしたがああ、おさまるとこにおさまったのねとわかってすっきりしました(笑)まあこの後日談もぼかした感じのラストですが。
門地かおり
ビーボーイコミックス全1巻/リブレ出版
ジャンル:ボーイズラブ/好み度:★★★★★
同時収録作品(シリーズ外):年下の男の子/2元中継でお送りします
2009年2月に再販