文化は現代ながら明治時代の名称が付いた首都。「帝都」は歪んだ発展を遂げ負の澱みをつくった。そして人間の負の感情を糧に人間をのっとる鬼と呼ばれる異形のものが体現する。その鬼を滅するのは警察の陰陽師課。その2課に一人の少女の姿をした新人陰陽師が配下のイヌとともに配属される。
いじめ、少年少女の欲を逆手に取った事件などから人間の業を描写、鬼とのバトルアクション、警察内での微妙な人間模様などが見所か。ドロドロの人間描写や問題提起をきちんと描いているのに泥臭さとスタイリッシュさを絶妙にブレンドした印象を受けるタイトル。このバランスが著者のセンスの良さということか。
作品のヒロインは新人という表書きですが相当の力と血統を持ちそれに見合う尊大な性格。外見はおっさん中身は少年のごとくまっすぐな気質のベテラン刑事とのやりとりが双方の性格の対比もあいまって絶妙なノリ。ヒロインの配下のイヌもいい味出してます。巻末のイヌを主人公にしたおまけ漫画は笑えました。
キャラ設定がうまいから重いテーマもするっと楽しめるということなのか。
個人的には中々読み応えのある話でしたがどうも中途半端で終わっている模様。続きが描かれる機会を失っているというべきか。残念。個人的にヒロインのお姫様なカットや扉絵がすごく好きでした。
ゴツボ×リュウジ
角川コミックスエース全1巻 / 角川書店
ジャンル:少年・アクション / 好み度:★★★★☆