明治時代・美術研究家と美術評論家が、長い間秘匿された聖徳太子をモデルとした救世観音の封印を解いたところ後頭部に釘が打ち込んであった。それは何を意味するのか・・というオープニングから、舞台は古代日本、副題にあるように日本書紀の時代へうつります。
古代史の有名なクーデター・大化の改新の少し前、中大兄皇子や、父親を殺された大海人皇子、藤原鎌足とかが登場します。あー日本史で習った面々だ~、そして読んだ人がたいてい思うところではあると思いますが日出処の天子の雰囲気に写実さをもうちょい加えた感じの作風だなと感じました。
副題にあるように日本書紀に書かれた歴史の内容の新解釈の物語、という内容ですがこのあたりの歴史に詳しくなくともけっこう楽しめるというかわかりやすい展開構成というか。読むとなんとなく現在だからできそうな物語だなあと思います。
昔習った大化の改新(今は言い方が違います?)の過程と真逆の印象だし、書記を編む際にクーデターを成功した側に有利な内容に、というシーンにはありえそう・・!とひしひしと感じました。歴史解釈もさることながら人物同士のやりとりとか心理描写とかけっこうツボでした。、政治が絡む歴史ものってとっつきにくいことが多いんですがものすごく読みやすいです。地味に読み続けたい作品。
それにしてもあらすじ紹介が壮絶な兄弟喧嘩って・・。いやまちがっていないけども。
原案監修:園村昌弘 / 漫画:中村真理子
ビッグコミックス11巻 / 小学館
ジャンル:歴史・ドラマ・青年 / 好み度:★★★☆☆
今ではこの作品にあるような解釈が支持されてるんでしたっけ?聞きかじりなんで違っていたらすみません。