主人公は、キャリアウーマンの三十代の女性。不倫相手に振り回され恋に疲れ祖母の家に一時的に住むことに。その後まもなく祖母が亡くなり主人公は家を買い取ることになる。そしてかつて祖母の教え子で深い縁がある50代男性が登場、男性は祖母との過去の約束から家に住む権利を主張し奇妙な同居生活が始まる。
祖母がからんだ不思議な縁で出会い同居することになった男と女の物語、というところか。
哲学の教授である男性は、恋愛に極端に臆病になっている主人公を口説きにかかり主人公も徐々に惹かれていくという展開。男性が哲学の教授、女性が理系のキャリアウーマンだからか、彼女たちの会話はロジック傾向が強いような気がします。心情を語るモノローグとかも他の恋愛ものとはちょっと色合いがちがうなあという印象。
キャリアウーマンというとどうしても勝気なタイプを想像してしまうのですがこの主人公は穏やかな性格。自分の意見ははっきり持っているし他者にきちんと言うことができるけど押しの強いタイプにはちょっと弱い?そのせいで恋愛が不器用になっているということか。
男性のほうは押せ押せタイプだけど主人公が追いつくのを待つこともできる人、でも情は深そう。男女ともキャラが好み。脇キャラも不倫相手の身勝手さ以外は基本的にいい人ばかりで読みやすかったです。
最終巻はサスペンス並の怒涛につぐ怒涛な展開で、賛否両論あったようですが、どの展開もストーリーにおいて無駄がなかったし著者独自の作中の雰囲気もさほど崩壊したわけではないのでこれはこれでよかったのではないでしょうか。まあいろんな意味でびっくりしましたが。
本編3巻に加えて後日談的な短編を集めた4巻も出ました。
西炯子
flowersフラワーコミックスα全4巻 / 小学館
ジャンル:女性・恋愛 / 好み度:★★★★★