ロボ道楽の逆襲 とり・みき

Amazon
ロボ道楽の逆襲をAmazonで見る

表題作「ロボ道楽の逆襲」「果てしなきヤナギの下に」「denen」「人生Z」など約19編を収録した著者のシュールギャグ短編集。
圧巻という言葉しか出ませんでした。何だろうこの廃頽感と清涼感は。
表題作のロボ道楽の逆襲って別々に描いた数編のギャグ漫画をリミックスして1本の作品にしたらしいです。実験アニメのような淡々とした雰囲気、1つ1つはナンセンスで突飛なのに前後のコマとの兼ね合いが流れる水のように自然。1つのエピソードが終わるといきなりの場面転換で別の話そしてまたはじめのエピソードの続きみたいな構成。
うーん、うまく言えない;というか読んで自分の感性で楽しむ系なので文章で説明するのも野暮な気がする。まあ説明能力がないだけなんですが;
時事と皮肉とパロディがいっぱい詰まった内容で、情報がかなり凝縮されています。このシュールナンセンスの間と静かなノリはどこか懐かしさを覚えます。やっぱ昭和時代のノリなのかなーとも思ったり。
好きだったのは、漫画マナー大事典とロボ道楽の逆襲かな。ギャグというのは、「センス」と「ロジックを組み立てる頭脳」が必要なんだなーとしみじみ。あと著者って絵がうまいんだなと再認識。いやパロディで絵柄のあまりのそっくりさにも驚いたもんで。
独特の雰囲気を持つギャグなので、読む人を選ぶと思いますが個人的には楽しめたタイトル。巻末に各作品の著者による解説あり。

とり・みき
CUE コミックス全1巻 / イーストプレス
ジャンル:青年・ギャグ / 好み度:★★★★★

収録作品:ロボ道楽の逆襲・果てしなきヤナギの下に・denen・人生Z・The Long and Winding WideShow・夏の読書・メカとカイゾーのころ・ドア・蝙蝠・漫画マナー大事典・違いがわかるジェンダーレス漫画・夜明ヶ(前)・ないしょの話・伝道の書に捧げるマベビベビバラバラ・実録ホンヤク物語・妖しいのはお前だけじゃない・ホモホモ7(原作・みなもと太郎)・万延元年のラグビー(原作・筒井康隆)・日本沈orz(原作・小松左京)+描き下ろし