私立学園に転入した女子中学生留津は、浮世離れした風情の少女・小杖と出会い目が離せなくなる。その直後学園内で殺人事件が発生したことがわかるが・・・。学園ミステリー。
セレブ系学園が舞台。主人公というか話の語り手は中二で転入してきた少女・留津。留津は自分の意見が乏しく周囲に合わせ過ぎて人間関係に軋轢を生みそれが原因で転校してきた経緯がある。そんな彼女の前に、浮世離れしたキャラの小杖が現れる。常識外れな行動、自ら探偵と名乗りかの名探偵のごとくなマイペースな発言と明瞭な思考を持つ小杖に、初めて自分の意思で興味を持った留津、というはじまり。
怪奇殺人事件と言っていい事件が起き、その最中に留津と同じく途中転入した少女を加えた3人で謎を解くという展開かな。探偵組トリオ、女性の学長や事件にある意味関わっていた美術教師、被害者の関係者・・・はたして誰が犯人なのか?
基本は学園内の事件の推理ミステリーなんだけど、独特だなあという印象が強かったです。事件解決を主軸とするなら脇道が目立ちすぎというか主人公探偵の独特のキャラクターを表現する描写が多いというか登場人物各々の事情に焦点を当てすぎるというか。ここまで丁寧にかつ個性的な人物のキャラを描くなら話が短すぎたかなというかんじ。事件もきちんと解決しているし意外性もあって読後感も良いんですがこれで終わり?という・・。キャラの個性の描写が強すぎてミステリとして読むにはちょっととっつきにくかったかなあとも。著者の作品の登場人物って、シリアスでも見かけない方向の砕け方だったり変わり種だと思うことは多いんですけどね。
相川有
バーズコミックス全2巻 / 幻冬舎コミックス
ジャンル:青年・ミステリ / 好み度:★★★★☆