オトナの恋愛模様を描いた6篇の短編集。「箱舟の行方」「ウィークエンダー」「こい、のようなもの」「つまりは、病のような」「ワールドエンド・サテライト」「空の記憶」
闇の中でゆらゆらとゆらめく短いろうそくの炎のような、消えそうで消えない、ちょっと炎が強まったかと思うと小さくなったりとそんなあやうさを持った雰囲気。
表題作「箱舟の行方」は同じ会社の、寿退社が決まっている女性と既婚者の男性の話。
女性が入社したときから男性は既婚者であり、互いに惹かれる気持ちを持ちつつも、社会のしがらみや体面でその気持ちを見ない振りを続けていた。一度だけなりゆきで関係を持った。でもそれだけ。
他愛のない会話、仕事上の接触以外なにも接点はなかった2人。しかし女性が退社するその日にハプニングが起こり最後の相手に対する感情が吐露される。
女性が相手に関連するものを処分しながら相手を想い整理をつけようとする描写や一見ふざけあっている会話の中に情を含ませる描写が印象深かったかな。
交渉の描写もなんかエロティシズムをかもし出しつつどこか透明で消えてしまいそうな儚さのようなものを感じたり。・・・うまく描写できん;;
「空の記憶」も印象に残った話。男性の台詞に萌えた(笑)この話を読むたびに稲垣某の階段のつくタイトルの曲を思い出します。
恋愛オンチなので、登場人物の行動で不可解なところもあったのも確か。そこがツボどころであり、共感はできないけど読み物として好きなわけなんだが。
あと著者の描く女性の体がやわらかくてさわりごごちよさそうだ~と思った私は変でしょうか。
シギサワカヤ
ジェッツコミックス全1巻 / 白泉社
ジャンル:青年・恋愛 / 好み度:★★★★☆