やつがれシリーズ くるねこ大和

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やつがれとチビ
やつがれという猫の人はある日ちいさな子猫を拾い、ちびと名づけました。やつがれとちびと鍼の先生のお話。
絵本漫画、とあるとおり1ページ1コマ(コマ割りはないけど)の絵本仕様。装丁もほぼ真四角。
日本昔話調の舞台、ひとりやもめのおじさん猫・やつがれと拾った子猫の生活を描いた物語。2人(匹)のほかにやつがれのなじみの鍼の先生も登場します。子猫に心を奪われた先生はわざとらしい言い訳をしながら子猫を見に日参するところがかわいい(笑)
起承転結が明確で、ほのぼのとせつなさと笑いと悲しみと救いを堪能できるお話。1ページ1コマならではの「間」と雰囲気が秀逸。よくある話といえば話なのにやっぱり涙が出てしまった。
実際に著者が体験したことがモデルでしょうね。元ネタ(?)は「くるねこ」でわかります。
著者のキャラの泣きはらした目ってどんだけ対象を慈しんでいたのかがびしびし伝わるなあ。

やつがれと甘夏
続編。ある日風にとばされた花魁の姿絵を見て一目ぼれをしたやつがれ。全財産はたいて遊郭にあいに行く。というやつがれ恋物語。
花がほろころぶほんわかさと江戸時代の粋を体現した雰囲気。時代劇に造詣が深いためキャラの言葉遣いが本格的で時代物の雰囲気がよく出ていてよかったなあ。花魁の漢前な性格がツボでした。鍼のおっちゃん女房がいたのか。

やつがれと枕荒し
枕荒しとは宿泊先で寝ている客の貴重品を掠め取る泥棒のこと。枕荒しのコンビに育てられていた女の子が2人がついにつかまったことから紆余曲折を経て鍼のおっちゃん夫婦に預けられることに。
やつがれ一家と鍼のおっちゃん夫婦と女の子の日常、そして泥棒だったけど気の良い2人の更生。ほろっとくる、心温まるお話。

やつがれとあん胡郎 / やつがれ番外編 八朔一家とてんしき、などなどシリーズが続々発売されているようです。

※形式的には1コマストーリー漫画というべきでしょうが便宜上、4コマに分類しています。

くるねこ大和
幻冬舎コミックス各全1巻
ジャンル:童話・4コマ / 好み度:★★★★★