同名ライトノベル原作。部活必須の学校において部が決まらず、自分たちで新たな部を立ち上げた5人の男子女子。彼らは唐突に奇妙な現象を受けることになる。その現象とは、人格の入れ替わり、欲求の歯止めがきかない、幼児化などなど。特定のきっかけもなく突如起こる奇妙な現象に戸惑いつつも対処する彼らの描く中で、各々の家庭の事情やトラウマなどが浮き彫りになっていくという青春物語。
特殊な現象の設定と翻弄される主要人物たちの描写はなかなかに興味深く、心理描写や間の取り方も観やすく引き込まれる。思春期の少年少女を主題とした話は、感情移入が過多になると疲れるんだけどこの作品はある意味登場人物から一歩引いた視点で描かれているような気がする。また、青春ものに度々感じるじれったさもSF的事象の対応が挟まれていることにより、ミステリ的な面も多分にあるため退屈せずにすんだところが好印象。
1つの現象が終わると次の新たな現象が、という具合なので若干単調かな、と思っていたら事象を起こした犯人はひとりらしく、説得力もあった。ただ犯人が何者であるか、はぼんやりとしか種明かしされていなかったような・・。それなりに物語は締められているのだがはっきりとした解決が欲しい人には中途半端だったかもしれない。
このアニメというと事前企画の炎上の方が有名なのだが作品自体は好きな方だっただけに残念でならない。当時は原作者が不憫すぎると思ったものだ。
2012年BS11他放映全13話+OVA4話
堪能度:★★★★☆