幽霊病院と噂され、実際に怪現象が起きる廃病院の解体工事の現場監督を任された、青年・堂島真一は、そこに住みついているという少年・空彦と妖怪たちと出会う。堂島はひょんなことから空彦を引き取ることにしたが、空彦が心配な妖怪たちもついてきて......。
よく言えば落ち着いた、(言い換えれば地味な)作品。花とゆめ時代はドタバタ感が強いか、鮮烈なイメージの作品が多かったのでかなり違和感を覚えた記憶があります。ちょっと変わったホームドラマといった感じで、人間(+妖怪)のやりとりの描写がほほえましく、和み系雰囲気を持っている作品なのは確か。ありがちな話ながら物語の骨組みはしっかりしていると思います。が、ボーイズを期待して読むと肩透かしを感じます。
掲載雑誌がボーイズ系なので一応ジャンルもそれになっているのですが、ほとんど描写はありません。正直、ボーイズ設定は不要なのでは、と読んだ人は思うと感じる展開でした。まあ、ちょっと外野につつかれたくらいで男の子を恋愛対象にするというのはボーイズ展開と言えなくもないですが(笑)
私個人としては、面白ければ表現の少なさは気にならないのでそこそこ面白かった作品です。やおい表現の苦手な人でも読める作品ではないでしょうか。
那州雪絵
ディアプラスコミックス/全1巻/新書館
ジャンル:ボーイズラブ・ホームドラマ/好み度:★★★★★