急激に人気を伸ばしたバンド・オーバー・ザ・ライトのボーカル・カイトが落としたと思われるペンダントを拾った藤美は、ペンダントがきっかけで、彼らは異界の王宮騎士団だと知る。8ヶ月後、再び彼らと出会った藤美は彼らの住む異世界へと飛ばされる。世界は王を失い、それまでに見られなかった事象と世界を得ようと暗躍するものがあった・・。
うーむ。あらすじがうまくまとまりません;1人の存在が世界を決定する世界へと迷い込んだ主人公が、その世界の転換期の鍵である、という迷い込みファンタジー冒険もの。キャラがやたら多いですが各々役割分担がちゃんとされているので無駄という印象は受けませんでした。人物の、置かれた状況ゆえの葛藤や苦悩といった心理描写や物語の構成は秀逸だと思います。それだけ読み応えがありますが、少女漫画としてみるとちょっととっつきにくいかも。
それまでの平穏を壊して変化を受け入れることへの戸惑いの描写は臨場感がありました。迷い込みファンタジーって結構あるけどこの作品のはご都合主義ではないラストはある意味リアリティがあったなあと感じました。余韻の演出が絶妙。
那州雪絵
白泉社文庫全2巻/白泉社
ジャンル:少女・ファンタジー/好み度:★★★★☆