ファンシーキャラとしてタレント活動で生計をたてるきゃとらんの日常生活の描いた悲喜こもごもコメディ。
主人公は芸能事務所に所属する白く額に3本の線がある猫のファンシーキャラ。着ぐるみではなくそのまんまぬいぐるみの身体。芸能界でのキャリアは後輩もいることから中堅なのだろうが、売れっ子というほど仕事がないのか、かなりな貧乏生活をしている模様。
著者の作品は人類じゃない人も普通に人間生活に溶け込んで生活しているという世界設定が特徴ですが、この作品の場合はぬいぐるみということで。
貧乏生活にちょっとはへこたれながらもけっこうたくましく知恵をしぼって生きていく主人公の生活描写が売りのタイトル。主人公をメインに他のファンシーキャラも登場させ各々の苦労話ももりこみつつ人気商売の現実の大変さをコメディとして見せる構成。
基本的に現実の芸能界でも見られる話も多いのですが、「ぬいぐるみの肉体」ならではの苦労ネタや、おっさんだけど「低い年齢設定のかわいいキャラ」でなくてはならないというギャップといったネタをうまく盛り込んでいるところが特徴か。
くぼたまこと
アフタヌーンコミックス全2巻 / 講談社
ジャンル:青年・コメディ / 好み度:★★★★★
最後はシリアスかつ良い話で〆ているのには驚き。ベタだけど泣いた。