幻仔譚じゃのめ 梅田阿比

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新しい家族となった少年と少女を中心に繰り広げられる蛇の精霊の蛇の目をめぐる妖怪アクション。蛇の母親の目玉をしゃぶって育つ赤子の日本昔話が元になっています。
親の再婚を機に民間伝承が多く残る田舎町に父とともに越してきた少女・朝灯。新しい家族の生活を楽しみにする彼女は幼いころから体調不良を起こすことがあった。その原因が物の怪であることがわかり妖怪の血を引く新しい母と弟が彼女を救うも、朝灯は母親の「蛇の目」をつけていないと生命が維持できない状態となる。
「蛇の目」は妖怪にとって力を増幅させる至宝であることから朝灯は妖怪たちに狙われることとなるが、という展開。
偏見でものを見ないまっすぐで純真、調和を重んじる性質の持ち主。非日常的な事態でもそれは変わることなく母と弟と自分の状況を受け入れる。濃密な妖怪アクションをからめつつ主人公たちの家族愛や信頼、友情といった人間ドラマを構築していく内容。
人間同士の関係に蛇の目を狙う妖怪が介入するってパターンが多めかなあ。きっかけは殺伐としているものの事がひと段落するとそれなりに和やかに〆めているところが特徴か。
可愛いというか幼い印象を受ける絵柄がなんか印象的でした。そして描きこみが半端ない。一見ごちゃっとしているようで構図のとり方がうまいのか読みやすいタイトルです。表紙絵はどの巻も魅力的。

梅田阿比
少年チャンピオンコミックス全7巻 / 秋田書店
ジャンル:少年・オカルトアクション / 好み度:★★★★☆

元ネタはアニメの日本昔話で見たことあるなあ。地べたに転がってる飴玉(蛇の目)をしゃぶる赤子の絵面を見て子供心に、父親よちゃんと洗ってやれと突っ込んだ記憶がよみがえる。