父と息子とブリ大根・待ち人キタリ・娘の年頃の娘・とりかへばやで出会いましょう・原色メガネ男子標本・片恋の日記少女・みたいなメモリーを収録した著者のせつなくちょっとくだけた恋愛や人間模様を描いた作品集。
せつなめの展開ですが、最後はおおむねハッピーエンドでテンポの良いコメディな話ばかりで楽しく読めました。著者の作品ほどドラマと軽快なテンポがいっしょになってるのは中々ないと思う。
「父と息子とブリ大根」
彼氏ありのオカマ・ミッチーの自宅に突然田舎の父親がやってきた。オカマであると実家には隠していたミッチーは、テンパってしまい思わず父親に息子の彼女だと嘘をつく。ちょっと変わった家族コメディドラマ。登場人物が気持ちのいいくらいさっぱりしているしラストのオチも利いてます。みんなシアワセ。
「待ち人キタリ」
だらしない彼女と別れ少なからず傷心なサラリーマンの男性はドジっ子属性にもほどがある少女と出会う。ちょいせつなめなコミカル展開。その後を想像すると楽しくなるような話。
「娘の年頃の娘」
サラリーマンが繁華街で出会った中学生の少女は、彼の娘の同級生でした。やましいことはしていないものの小悪魔属性の少女に振り回される主人公。大人ぶって狡猾に立ち回ってそうでもやっぱり中学生の女の子という話・・かな。
「とりかへばやで出会いましょう」
出会い系サイトで知り合った男性と会うという姉のかわりにその男性に会いにいった弟君。相手は想像と違いとても良い人だったけど・・。最後に話のからくりがわかったり、弟の姉に対する気持ちがちょっと吐露されるといった構成が面白い。
「原色メガネ男子標本」
女性養護教諭とメガネ男子生徒の視力検査の話。なんつーかシュミな話だなあと思ったら著者がメガネ男子大好きだそうで。なるなる(笑)
「片恋の日記少女」
元教師だった死んだ父親の日記を見た息子。堅物を絵にかいたような父が恋をしていたことを知りその相手を見に行くことにするが・・・。三つ編み少女のしぐさやあふれた感情の吐露が愛らしくいじらしいです。
中村明日美子
花とゆめコミックススペシャル全1巻 / 白泉社
ジャンル:少女・恋愛 / 好み度:★★★★★