著者の実家は、禅宗の1つである臨済宗のお寺。先代である父親が若くして亡くなり、跡を継ぐため修行し住職になった長兄の修行風景を中心に描かれたお寺の内情エッセイもの。
修行前から修行中、修行後と順序だって描かれているため知らない人でもするりと内容が頭に入ります。著者はお寺の娘ですが修行などディープな部分では知らないことも多く驚きとともに事柄を綴ることも。玄人と素人の境目のような目線で描かれているためか読みやすいと感じました。
お兄さんの修行風景のほかには、明治以降のお寺の歴史(妻帯のこととか)やお寺での常識、お兄さんの結婚式風景など、中々知りえないネタもあり、修行風景を通して生きることの本質など含蓄のある内容もあり、巻末にはお葬式の作法や香典のことなど生活やお付き合いにおいて有用な情報もありで、かなり有意義な1冊になっています。
杜康潤
ウィングスコミックスデラックス全2巻 / 新書館
坊主DAYS /坊主DAYS お寺とみんなの毎日
ジャンル:エッセイ / 好み度:★★★★★おすすめ
個人的に惜しむらくは卒塔婆云々のエピソードが削られていたこと。まあテーマからはちょい逸脱してるけどね・・;
実家の宗派が曹洞宗、幼稚園・保育園は臨済宗のお寺が経営する幼稚園・保育園に通っていたのでそれなりになじみがあるためかけっこう楽しく読ませていただきました。幼稚園は今考えるとけっこう厳しめだったのは臨済宗の寺だったからかなあと今になって納得(笑)定期的な座禅はもとより、昼食は嫌いなものでも全部食べないと絶対許してくれなかったし文武ともにノルマがあったっけ・・。