ナナのリテラシー 鈴木みそ

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女子高生ナナが職場体験で紹介された事務所に訪れると無精ひげを生やした半裸の男が寝ていた。その男は所長であり天才ITコンサルタントらしいのだが・・。ナナはいぶかしがりながらも彼の仕事を手伝うことになる。
主人公のナナはコンピュータ関連の知識も技術も学内では卓越しており性格も非凡というか落ち着いているというか大人びた気質生徒ゆえか、教師は職場体験にこの一見風変わりな事務所を紹介した模様。
見たものをすぐに脳に焼き付けられるカメラアイの能力を持つ所長は風変わりに見えるがコンサルトは口八丁手八丁の説得力があり、ナナの疑問もときには明確にときには含みを持たせて答える。この二人のやりとりはけっこう面白い。
1巻目は落ち目になった漫画家の、著者自身が出版社を介さず自分の作品を電子書籍として売るというのがテーマ。
著者の既作品同様、特定の業界の内情と改革を主題にしているようだが若干話運びというか廻りくどい印象を受けるのは著者自身の体験を元にしているからだろうか。電子書籍界隈の話、電子書籍の市場の動向、出版社との折り合い、電子書籍化の手順や様々な問題など個人的に興味のある分野だったので興味深く読めた。2巻以降もリアル著者に関連する主題なのかな。

鈴木みそ
ビームコミックス全3巻 / エンターブレイン
ジャンル:青年・業界 / 好み度:★★★★☆